かつしか伝統工芸市 in柴又 2020.09.26
リポーターのおくたともこです。
私が気になる葛飾区内のイベントや場所におじゃまして、このブログをご覧の方だけにその魅力をお届けします!
今回は…9月19日・20日に開催された「かつしか伝統工芸市」をご紹介。
葛飾区伝統産業職人会の主催で、葛飾区認定の様々な種類の伝統工芸品の実演を含めた販売と展示がおこなわれました。
この日は葛飾区指定伝統工芸品(46品目)のうち、東京銀器や江戸切子のほか、銅おろし金、棕櫚たわしなど生活に役立つものも多く展示され、柴又駅から歩いてすぐの観光案内所に隣接するスペースには、シニアの方から親子連れまで興味深そうに足を止めていました。特に印象的だったのは、真剣に話を聞いている若い人の姿。こうして葛飾の伝統工芸が語り継がれていくのは何だか嬉しいですね。
私が取材した19日の実演は、山川金作さんによる「江戸べっ甲細工」です。
「江戸べっ甲」とは、タイマイというウミガメの甲羅を加工して作られるもので、奈良時代に伝えられたとされています。淡い黄白色の輝きの美しさと肌触りの良さが特徴で、元々は身分の高い人の装飾品でしたが、接着剤を使うことなく火と水で加工できることから、日用品としても広く生活に溶け込むようになったとのこと。
べっ甲細工は高級なものという印象をもっていましたが、2,500円のアクセサリーや1,500円のキーホルダー、2,000円の耳かきなどもあり、手に取ってみると思った以上に軽くて、それでいて丈夫。これが職人の技なんですね。
山川さんは15歳でべっ甲会社に就職されてから、あらゆる技法を習得後、平成16年に独立されたこの道50年の職人さん。細かい作業を丁寧に続ける姿に思わず見入ってしまいました。頑固で孤高な人というイメージの職人さんですが、ここは『葛飾』。仲間同士で冗談を言いながら、とても気さくに接客され、話せば話すほど味わい深いお人柄に魅かれます。
葛飾区では、区内で受け継がれている工芸品を「葛飾区伝統工芸品」として指定。その価値を高め、区内の伝統産業の振興を目的として、製造に従事する技術者のうち高度な伝統的技術や技法を持つ方を「葛飾区伝統工芸士」として認定しています(現在71名)。
立石駅近くにある伝統産業館では、葛飾区伝統工芸士の作品を常時展示販売しているほか、体験教室も開催しています。
葛飾が誇る伝統工芸に直接ふれることができますので、ぜひお出かけください。
魅力的な職人さん達に会えるかもしれませんよ。
◇伝統産業(葛飾区公式HP)
http://www.city.katsushika.lg.jp/tourism/1000066/1004932/index.html
◇葛飾区伝統産業館 体験教室のご案内(葛飾区公式HP)
http://www.city.katsushika.lg.jp/tourism/1000066/1004932/1023954/index.html
◇伝統工芸 江戸の暮らしが息づく技と美(葛飾区伝統産業職人会)
http://www.syokuninkai.com/