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かつしか区民大学講座「役に立つ!葛飾ブランド再発見!」 2021.02.28


リポーターのおくたともこです。

私が気になる葛飾区内のイベントにおじゃまして、このブログをご覧の方だけにその魅力をお届けします!

今回は…2月21日(日)に亀有地区センターホールで開催された、かつしか区民大学講座「役に立つ!葛飾ブランド再発見!~第1弾かつしか素材で注目のマスク~」をご紹介。

葛飾ブランド「葛飾町工場物語」を知っていますか?
都内23区で第3位の工場数(2,131工場※)を誇る「ものづくりのまち葛飾」。葛飾区では優れた技術等により製造された製品・部品などを葛飾ブランド「葛飾町工場物語」として認定。製品等や技術だけでなく、これらの製造や加工を担う人や開発にまつわるエピソードも合わせて紹介しています。
※東京都総務局統計部「2016 東京の工業」より

「役に立つ!葛飾ブランド再発見!」講座)受付 「役に立つ!葛飾ブランド再発見!」講座)会場の様子

「時代に対応し続ける葛飾企業の再発見と、ここでしか実現できない企業コラボによる新しい価値が生まれることを期待するもの」という目的で開催された講座は、「葛飾ブランド」を担当する葛飾区産業観光部商工振興課のお話から始まりました。

葛飾区内の製造業のほとんどが下請けで従業員が4名未満の工場が6割を占めていましたが、その体質からの脱却を目指して自社製品の開発に乗り出す企業が増えてきたそうです。そこで、葛飾の技術力の強みを発信し区内の産業の活性化を図るため、平成19年に「葛飾ブランド創出支援事業」が開始されました。審査基準は技術や安全性だけでなく、開発に「ストーリー」があるかどうかも重要とのこと。現在では90の製品や技術が認定されていて、平成27年度からは新規認定を絞ることで既存企業の支援に取り組んでいるそうです。

「役に立つ!葛飾ブランド再発見!」講座)配布資料 「役に立つ!葛飾ブランド再発見!」講座)商工振興課のお話

『東京和晒』は1889年の創業以来、和晒にこだわり続けながら時代と共に様々な製品を生み出し、手拭い文化を発信しています。
「コロナでお祭りやイベントができなくなり、マスク不足が社会問題となっている中で何か取り組めないか」と考えたのがマスクを作ったキッカケだと、瀧澤一郎社長が話されました。
マスクもガーゼも消えて手拭用さらし生地が売れる中、マスクの下が開いた熱中症予防にもなる夏用マスクの開発から始めることに。息苦しさや装着時の不快感を解決するため、作っては付けて改善してを繰り返し、1日で10種類くらい作ったこともあるそうです。
参加者からの「開発でいちばん苦労した点は?」という質問には、「商品化してから不具合や事故があったらいけないので、慎重に、とにかく何度も試して、改良に改良を重ねます。らくなマスクは構想から商品化までに4か月程かかりました。」とのことでした。まさに生みの苦しみですね。最近は、表情を見せられる「透明マスク ミセルンデス」も発売されています。
京成立石駅から徒歩5分の「東京和晒創造館」では、クリエイターの手拭いなどを直接購入できるほか、手拭い染め体験(注染)も可能です。

「役に立つ!葛飾ブランド再発見!」講座)講演の様子1 「役に立つ!葛飾ブランド再発見!」講座)講演の様子2

続いて、葛飾区高砂にある創業60年『精工パッキング』平井秀明社長による講演です。
高校卒業と同時に入社し職人として働いていましたが、2013年に初代社長が倒れたことや大得意先がなくなり売り上げが半減したこともあって、2015年には3代目社長に就任。まずは認知活動のひとつとして「葛飾ブランド」に申請、認定されたとのこと。
0.2mm幅の「かつしか極細輪ゴム」の始まりは社内に落ちていた細い紐状のゴムで、同じ物はすぐに作れたものの、何に使うか聞かれても答えられず輪っかを作ることにしたそうですが、これが大変。すごく伸びがよくて簡単には切れない…耳にかけても痛くないと、2016年にマスク用の輪ゴムとして販売することに。2020年1月にオリジナルのオンラインショップを立ち上げると、すぐにテレビニュースが取り上げ、かなりの注文があったそう。その後はマスクだけでなく、自分たちの技術力で簡単に安く作れるとフェイスガードも製造することになりました。
極細輪ゴムの耐久性は「沸騰したお湯に入れても大丈夫。ただし鋭利な物に弱いのと毛玉が付きやすい。丁寧に扱えば3週間くらいもつと思います。」とのこと。こんなに細いのに驚きです!

「役に立つ!葛飾ブランド再発見!」講座)ワークショップ1 「役に立つ!葛飾ブランド再発見!」講座)ワークショップ2

休憩後は、2社の製品で作るオリジナルマスクのワークショップ。
22cm四方のさらし生地を二つ折りにして、間に輪ゴムを引っ掛けます。両手を開いて輪ゴムを持って、その上部をマスクの下に持ってきて両耳にかければ出来上がり!ですが、ここでさらにお楽しみが。同じく葛飾ブランド認定企業「株式会社 扶桑」のアイロンがいらない布用シール「irodo(イロド)」でマスクを可愛くデザインして、葛飾ブランド最強コラボ・オリジナルマスクの完成です。

「役に立つ!葛飾ブランド再発見!」講座)展示スペース1 「役に立つ!葛飾ブランド再発見!」講座)展示スペース2

会場奥には展示スペースが設けられ、東京和晒コーナーには人気の「らくなさらしマスク」のほか、かわいい動物柄やレトロな柄の「手ぬぐいマスク」が勢ぞろい。打抜き加工技術を使って製造した包むカラフルな小物入れ「ポレット」が並ぶ精工パッキングのコーナーには、眼鏡装着用のクリアマスクもありました。

それぞれの町工場の努力とアイデアと熱意と挑戦の物語。
葛飾区民であることに誇りを感じる講座でした。すごいぞ!葛飾。

 

◇葛飾ブランド「葛飾町工場物語」(葛飾区公式サイト)
http://www.city.katsushika.lg.jp/tourism/1000066/1004930/1022808/1004946.html
ロゴマークには、「未来を照らす技」こそが明るい未来を開く、というメッセージが込められています。

◇東京和晒 株式会社(東京本染手拭)
https://www.tenugui.co.jp/
※マンガを読む
https://katsushika-brand.jp/wp-content/themes/machikoba/img/2704.pdf
◇有限会社 精工パッキング(ビクトリア型による平板打抜き加工技術)
https://www.seikopacking.tokyo/
※マンガを読む
https://katsushika-brand.jp/wp-content/themes/machikoba/img/2801.pdf

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