堀切菖蒲園 2021.05.31
リポーターのおくたともこです。
私が気になる葛飾区内のイベントや場所におじゃまして、このブログをご覧の方だけにその魅力をお届けします!
今回は…葛飾区の観光名所のひとつ、今が見頃の「堀切菖蒲園」をご紹介。
葛飾区の区花でもある「花菖蒲」。
開花時期に合わせて行われる「葛飾菖蒲まつり」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に続いて中止となりました。
それでも花菖蒲はしっかり咲いています!…ということで、やって来ました「堀切菖蒲園」。
※5月30日時点で八分咲き
京成本線の堀切菖蒲園駅から約10分、首都高速を目印に歩きます。入り口の立派な門をくぐると、目の前には約200種類6000株の花菖蒲が広がり、まずはその種類と数の多さに驚きます。
どこからどう見て周ればよいのか迷いそうと心配でしたが、各圃場には1番から13番まで看板が立てられ、しっかりと順路が示されているので安心ですね。また、この日は日曜日でたくさんの人が訪れていましたが、屋外ですし、密になることもありません。
江戸時代末期に、花菖蒲の発展に大きな功績を残した松平定朝(菖翁)によって作出された花は「菖翁花」と称され、堀切で花菖蒲を栽培していた農家(のちの小高園)の伊左衛門家がいくつかの品種を譲り受けて繁殖を図ったと言われています。
現在でも、「菖翁花」の名を引き継ぐ「蛇籠の波」「王昭君」「雲衣装」「五湖の遊」など10種類余りの花菖蒲を栽培管理しているとのことですので、探してみるのもおすすめです。
ここ堀切は土地が低い湿地帯で花菖蒲の栽培に適した土地だったようで、小高園の誕生後、明治に入ってからは武蔵園、吉野園、堀切園、観花園などが開園しました。戦後は堀切園だけが復興し、その一部を東京都が入手、のちに葛飾区に移管され、昭和52年には「葛飾区の指定名勝」に指定されました。
たくさんの花菖蒲を楽しむことができる今の時期はもちろん、サクラや藤棚、ツツジ、アジサイ、キキョウなど、様々な季節の花木を鑑賞できる「堀切菖蒲園」。喫茶や会食のできる静観亭のほか、平成30年の改修では、園路を広げ、トイレや休憩所などのバリアフリー化が行われました。
浮世絵師・歌川広重が描いた名所江戸百景「堀切の花菖蒲」に思いを馳せながら、のんびりと散策するのはいかがでしょうか。
【花菖蒲】
アヤメ科アヤメ属の多年草。花の色は紫、青、白、桃など多数。品種数が豊富で頑丈な江戸系、室内鑑賞向きで繊細なイメージの伊勢系とボリュームのある肥後系、野生種に近い長井系などに分類される。半日以上、日光が当たらないと花が咲かないと言われ、花言葉は「うれしい知らせ」「心意気」など。
◇堀切菖蒲園(葛飾区公式サイト)
https://www.city.katsushika.lg.jp/institution/1000096/1006888.html