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ミニ門松作り 2021.12.30


リポーターのおくたともこです。
私が気になる葛飾区内のイベントや場所におじゃまして、このブログをご覧の方だけにその魅力をお届けします!

今回は…12月25日(土)に葛飾区郷土と天文の博物館で開催された「ミニ門松作り」をご紹介。

 

日本のお正月に飾られる縁起物のひとつである門松は、豊作や家内の安全を守る「歳神様」に迷わず家へ来ていただくための目印と言われ、左右一対で門口や玄関先に飾られます。定説はないものの、風習が入ってきたのは平安時代、斜め切りの竹(そぎ型)を使うようになったのは安土桃山時代で、江戸時代になると広く庶民の家や大名屋敷にまで立てられるようになったとされています。

「ミニ門松作り」講座は毎年かなり人気のイベントということで、今回も応募者96人に対して参加できたのは午前と午後それぞれ10組だけ。ご家族連れからシニアの方まで年齢層が幅広いのも特徴のひとつでしょうか。

最初に博物館の方から、この場所で門松作りをおこなう意味について「昔、門松は葛飾区の名産品で農家の人たちが冬の間に作って江戸の町に出荷していました」とお話がありましたが、講座に参加することで地域の歴史まで知ることができるのも嬉しいですね。

ミニ門松作り)会場の様子 ミニ門松作り)講師の佐藤さん ミニ門松作り)素材

講師は、葛飾区内で活動されている『NPO法人 葛飾アクティブ.COM(KAC)』の佐藤英夫さん。同じくKACメンバーの皆さんが4班に分かれ各作業机の補助に入ります。講座で使用する竹も、KACの皆さんが茨城県の竹林まで出向き、ちょうどいい長さや太さのものを選んで切ったもので、竹の調達は年々難しくなっているそう。
表面が汚れていてそのままでは使えないため何時間もかけて念入りに洗浄したり、竹を切る角度に合わせて切り込みを入れた手作りの道具は左利き用も用意されていたり、こういった準備があるからこそ、スムーズに講座が始められるのです。

ミニ門松作り)竹を切る ミニ門松作り)手作り工具 ミニ門松作り)竹を斜めに切る

作り方(工程)はこちら。
①竹の上方向の節から2cm位のところに養生テープを巻きます。
②鋸(ノコギリ)の試し切りのため、テープの上1cm位のところで節を落とします。
③道具を使って6本を斜め切りします。その時、竹のくぼみが後ろになるようにして切断します。
④中心になる一番長い竹の長さが25cmになるように作ります。
⑤3本の組み合わせが決まったら、輪ゴムで止めて、中心の竹に印をつけます。
面を揃えて他の2本も下部分を切断し、ゴムバンドで固定します。
⑥3本組の下の部分に養生テープを巻きますが、誰かに持ってもらいながらやると面がきれいに揃います。
⑦縄をできるだけ強く8回巻きます(左右逆方向に)。机に押しながらやるとうまくできます。
巻き終わったら縄を適当な長さに切ります。
⑧竹部分が完成したら、千両、松、紅白の梅などで飾り付けします。

ミニ門松作り)3本を巻く ミニ門松作り)縄で締める ミニ門松作り)会場の様子2

文字で見ると簡単にできそうですが、実施にやってみると力加減や向きの調整など、なかなか上手くいきません。
竹にはそれぞれクセがあるので組み合わせるのが難しいけどそれも活かして作ることが大切だと教えていただいたり、わからないところをその場で聞きながら作ることで、不安もなく作業に集中できます。
私も実際に体験させてもらいましたが、ノコギリを使うのは久しぶりとあって緊張しながら作業を開始。段々とコツをつかんでくると、竹の長さはこれでいいか、正面はどこにしようかと、かなり楽しい。

ミニ門松作り)完成 ミニ門松作り)記念写真

参加された皆さんも、時折笑顔を見せながら真剣に竹と向かい合っています。いちばん難しかった縄を締める工程でも、こんな風に巻くんだよと丁寧に教えていただき、最後は思い思いに飾り付けして、手作り「ミニ門松」の完成です。
「工作みたいで楽しい」「門松を作る過程を子どもに知ってもらえたのがよかった」「少し難しかったけど丁寧に教えてくれたのでうまくできた」「早く玄関に飾りたい」と、これから迎えるお正月を心待ちにされていました。

この貴重な講座に材料費1,000円だけで参加できるなんて…人気の理由がわかりますね。

葛飾区郷土と天文の博物館)外観葛飾区郷土と天文の博物館)郷土展示室葛飾区郷土と天文の博物館)昭和の家葛飾区郷土と天文の博物館)フーコーの振り子
葛飾区郷土と天文の博物館)ステンドグラス葛飾区郷土と天文の博物館)天文展示室葛飾区郷土と天文の博物館)天文展示室2葛飾区郷土と天文の博物館)プラネタリウム

参加者には、「葛飾区郷土と天文の博物館」の入館証も配布され、講座後ゆっくりと館内を見て回ることもできます。
昨年リニューアルオープンした2階「郷土展示室」には、古代から近現代まで知ることができる「かつしかの歴史」や「かつしかのくらし」のほか、大画面スクリーンでは葛飾と水との共生2つの物語を楽しむことができます。それぞれ約4分半の映像ですが迫力があってつい見入ってしまいました。
柴又から出土されたという古墳時代の埴輪や青戸の葛西城址で発掘された陶磁器や将棋の駒、武具などかなり貴重な展示、中央には実寸で全長14mの葛西船(農作物や肥料を積んで河川を航行する船)もあり、さらに奥にはセルロイドのお人形や昭和30年代の生活風景が復元されていて、どこか懐かしい雰囲気。
廊下にある「フーコーの振り子」で地球の自転を感じることもできますし、3階の天文展示室やプラネタリウムはもちろん、階段の途中にあるステンドグラスも必見です。ぜひお出かけください。

 

◇葛飾区郷土と天文の博物館(葛飾区公式HP)
https://www.museum.city.katsushika.lg.jp/
京成電鉄お花茶屋駅から徒歩約8分、JR常磐線亀有駅からは約25分、曳舟川親水公園のすぐ横にあるドーム型の建物で、プラネタリウムの上映でもよく知られています。

◇葛飾アクティブ.COM(外部サイト)
https://katushika-active2.jimdofree.com/
「シニアを元気に!」を合言葉に、地域に暮らすシニアの自立した生活の実現と積極的な社会参加や地域社会の活性化を目標に活動。シニア活動支援センターや水元憩い交流館を拠点に、葛飾区からの受託事業や各種講座の開催ほか、数あるサークルから参加したいものを選んで仲間作りをしています。会員数は262名(2021年11月現在)。

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