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水元生きものガイドウォーク 2023.01.31

 

リポーターのおくたともこです。
私が気になる葛飾区内のイベントや場所におじゃまして、このブログをご覧の方だけにその魅力をお届けします!

今回は…1月25日(水)に参加した、水元かわせみの里で開催されている「水元生きものガイドウォーク」をご紹介。

 

葛飾区民の憩いの場である都立水元公園は、金町駅からバスでおよそ15分の場所にある都内で唯一水郷の景観をもった公園で、面積はおよそ約96.6万平方メートル。これは東京ドーム20個分、東京ディズニーランドの約2倍にあたります。

今回ご紹介する葛飾区立「水元かわせみの里」は、水元公園のいちばん奥の方、中央広場とキャンプ広場を右手に見ながらポプラ並木を抜けた、さらに奥にあります。正式名称は「水元小合溜水質浄化センター」で、公園内にある水元小合溜の水質を浄化し、かつて生息していた生きものを呼び戻すことや水辺環境を整えることを目的として、平成7年に完成しました。

水元生きものガイドウォーク_水辺のふれあいルーム 水辺のふれあいルーム_受付

「水元かわせみの里」では、大人から子供まで楽しめる様々なプログラムを提供していて、令和4年度は自然学習講座(すべて無料)が計23回、かわせみフェスティバルをはじめとするイベントも計9回が予定されています。
「水元公園内ナイトウォッチング」「キノコ観察会」「東京めだかについて学ぼう」など、目につくだけでも面白そうなものばかり。
夏休みの自由研究の相談にも乗ってくれるとのことですので、困ったときの強い味方になりそうですね。

水辺のふれあいルーム_窓から見た風景 水辺のふれあいルーム_室内1

併設された「水辺のふれあいルーム」は、情報発信の場として、水辺の自然環境や水元小合溜の歴史についての展示、企画展の開催などを行っていて、ルーム内では水元小合溜の魚やカメ、植物などを観察することもできますし、専門員さんが常駐しているので、わからないことがあれば何でも教えてくれます。
2月12日までは「第14回水元かわせみの里フォトコンテスト」の応募作品(39点)を展示していて、入選作品を決める投票をすることが可能。こんな瞬間どうやって撮ったの!?というような魅力的な作品ばかりですので、興味のある方はぜひお出かけください。

水辺のふれあいルーム_室内2 水辺のふれあいルーム_水槽 水辺のふれあいルーム_フォトコンテスト作品展示

「水元生きものガイドウォーク」は、水元かわせみの里周辺で見られる生きものや植物など、季節にあわせて、専門員さんやボランティアガイドさんが解説しながら案内してくれるもので、開館日のうちイベント等のない日に1日2回(午前11時~、午後1時30分~)行われています。所要時間は約30分、事前予約無しで誰でも参加が可能、1名でも催行してくれるというのが嬉しいですね。
この日の解説は、背が高くて優しい目が印象的な専門員の小林さん。ゆっくりと一緒に歩きます。

「水辺のふれあいルーム」を出てすぐの橋を渡って歩いていくうちに、段々と木々が茂ってきて、どこからともなく鳥の声が。
「あそこにジョウビタキがいますよ。」と言われるものの、すぐに目で追うことができず、望遠鏡の合わせ方を教わって、ようやく見つけることができました。『ジョウビタキ』とは全長15cmの冬鳥で、今回見たオスは銀白色の頭に黒色の顔ですが、メスは体が灰色味のある茶色で翼に白斑があるそうです。

水元生きものガイドウォーク_1 水元生きものガイドウォーク_2 水元生きものガイドウォーク_3

次に出会ったのは水元小合溜で悠々と泳ぐ水辺の鳥たち。
真っ黒い体に白い額とくちばしを持つ『オオバン』は、全長39cm。魚や水草を好み、1年中見られる鳥だそう。
オオバンよりもひと回り小さい『カイツブリ』は、夏羽に首が赤茶色になり、今回見た冬羽ではもう少し茶色に近い黄茶色に見えています。こちらも潜るのが得意とのことで、私が見ている前でも2羽が揃って潜水していました。魚やエビは獲れたかな?

そのほか、背中に星屑の模様、羽に白帯があり、頭と顔が赤褐色の『ホシハジロ』のオスや、金色の目に黒い体、羽に白帯がある『キンクロハジロ』を見ることができました。どちらもカモの仲間で、全長は43㎝から48㎝ほど。日本では冬にしか見られない冬鳥です。

水元生きものガイドウォーク_4 水元生きものガイドウォーク_5 水元生きものガイドウォーク_6

そのまま歩いて、緑溢れるエリアへ進むと、鳥の声が一気に近くなり、「ヒーヨヒーヨ」と鳴く『ヒヨドリ』の姿も。
最初は時間がかかりましたが、何度も鳥を探すうちに、少しずつコツがわかったのか目が慣れてきたのか、木の中にいる鳥を見つけることができるようになりました。
「いろいろなことを教えてくれて、風も気持ちいい。」これが生きものガイドウォークの魅力なのでしょうか。

水元生きものガイドウォーク_7 水元生きものガイドウォーク_8 水元生きものガイドウォーク_9

残念ながら、この日は『カワセミ』を見ることができませんでしたが、「水辺のふれあいルーム」からは年間2,000回以上観察できるとされ、午前中だけで8回記録される日などもあるとのこと。

1月22日(日)には、ボランティアさんなど総勢51名が参加して、1時間の間、水元公園内の21地点を定点で調査する「カワセミ一斉個体数調査」を初めて行ったそうで、その結果として、全地点においてカワセミが確認できた回数は合計26回、6羽前後がいると推定されると発表がありました。ただし、今回の調査はあくまで1日だけのものであり、繁殖期に入るとさらに増える可能性もあるほか、その年によって違いもあるのではということで、今後もこの調査は継続されるようです。

水辺のふれあいルーム_カワセミ飛来記録 水辺のふれあいルーム_カワセミ紹介パネル 水辺のふれあいルーム_カワセミ標本

全長17㎝、「空飛ぶ宝石」とも「清流の宝石」とも呼ばれるほど美しい『カワセミ』ですが、見る角度によってライトブルーやエメラルドグリーンに色が変わります。これは「構造色」という光の反射によって見える色のことで、キジやクジャクなどでも見られます。

また、『カワセミ』のなわばりは広く、2月下旬頃からの繁殖期には「水辺のふれあいルーム」から見える人工の営巣壁(カワセミの巣)に1ペアのつがいだけがやってくるそうです。そこで巣穴堀りをして巣を作るのですが、体の割に長いくちばしは、餌を獲るだけでなく巣穴を掘るのにも役立ちそう。無事に繁殖が成功すれば、人工の営巣壁で産卵して約1か月でヒナがかえり、その後の子育てにも約1か月かかるとのことですので、ヒナの巣立ちはおよそ2か月後。その日が待ち遠しいですね。

水辺のふれあいルームから見える人工の営巣壁 「水辺のふれあいルーム」から見える風景(透明な水)

緑の中を歩くのも久しぶりで、とても心地の良い時間でした。
水の流れる音と鳥の声しかしない、ここはまるで別世界。
カワセミに会いに、また来ます。

皆さんも、自然と向き合いたくなったら「水元かわせみの里」へ。

 

【水元小合溜(こあいだめ)】
水元小合溜は、葛飾区と埼玉県三郷市の境界を流れる準用河川で、江戸時代の初期から中期まで江戸川に注いでいた古利根川をせき止めて作られた溜池でした。区の資料によると、水域面積25.5ha、延長約3.6km、平均水深約1.1mで、都内にありながら豊かな生態系あふれる貴重な空間は、様々な生物の生息・繁殖の場となっています。

 

◇施設案内 水元かわせみの里(葛飾区公式サイト)
https://www.city.katsushika.lg.jp/institution/1000096/1006910.html
案内図や活動紹介のほか、各種イベント、ボランティアの募集案内など情報満載。
葛飾区の豊かな自然や歴史、環境への取り組みなども学ぶことができます。

◇水元生きものガイドウォーク(葛飾区公式サイト)
https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000062/1023018/1023070.html

◇第14回水元かわせみの里フォトコンテスト(葛飾区公式サイト)
https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000062/1023018/1023066.html
2月12日まで投票受付中!
自分の投票した作品が上位4作品に選ばれると、その写真のポストカードが抽選でもらえます。

◇水元かわせみの里水辺のふれあいルーム ブログ(外部サイト)
https://mkawasemi.exblog.jp/
水辺のふれあいルームの専門員さんが、カワセミはもちろん、鳥や植物、魚類等に関する情報のほか、
日々の気づきなどを発信しています。写真も素晴らしいのでぜひご覧ください。カワセミもこちらから!

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